[工場マン物語]第2話: 人は簡単に変われない[前編]

初めてだらけ

 

初めての土地、初めての景色、初めての工場は滋賀県にあった。

新幹線を降り派遣会社の方が迎えにきてくれたバスに乗る。

今日から新しいスタートだ。

物思いにふけながらふとバスの外を見る、、、

 

 

山、川、田んぼのみ、、、

本物の田舎を初めて見た。本当なら心が洗われ安らかな気持ちになるのだろう、、、

滋賀県の方には申し訳ないがこの風景を見ながら私はこう思ったのを鮮明に覚えている。。

 

 

 

 

 

島流しかな?

 

これからこんなところでやっていけるのか?一気に不安が押し寄せる。

パルコもねぇ!東急ハンズもねぇ!ヨドバシもねぇ!オラこんな村は嫌だぁ〜

気分は完全に吉幾三モードに突入していた。

 

出会い

 

目的地に着いて住むアパートや工場を一通り案内された。

その中で同期で20歳の青森出身のW君、同じ派遣で先に働いていた沖縄出身の40代のSさんと出会った。

 

 

色々話をしたがぶっちゃけこの時の私は全然2人に興味は無かった。

 

 

 

「俺はお前ら底辺とは違うのだ!」

今までは金を持っていた!生き方も違うのだ!当時の私はそんなクソみたいなプライドと工場に対する偏見があったのだろう。

現実は借金もあり所持金1万くらいしかない一番の底辺は自分だというのに、、、

 

初めての工場

 

初めての工場は某軽自動車の盛んな◯イハツだった。

配属先も決まり、いよいよ新しい仕事がはじまった。

最初はインパクトドライバーでボルトを締め付けるなど慣れない作業で戸惑ったし、なにより当時は軽自動車の売れ行きが半端なくて1000台ほど作らなきゃいけないくらい大忙しだった。

だが1週間も経てば慣れて、しょうもない妄想で1日をやり過ごす日々だった。

 

 

 

人は簡単に変われない

 

所属していた派遣会社では給料の前払い制度というものがあり上限はあるが1週間働けばいくらか給料を前払いしてくれるのだ。

当然お金の無い私は泣く泣く前払いを希望した。

そに日に見た光景は、まぁ希望する人の多いこと多いこと。この時再び惨めな気持ちになったのを覚えている。

そこで沖縄出身のSさんと再び出会う、、、彼は前払いを貰った後私に声をかける。そして

彼の放った一言が再び私を戦場へ駆り立てる

「パチスロ行かない?」

 

まったく、、、確かにパチスロはやってましたよ。

確かにパチスロは楽しいよ?お金なくて最近行きたくても行けてなかったよ。

お金無くなってから特にやってましたよ。そんで借金まで作りましたよ?

でもね?考えてごらん?私はそんな自分を変えにきたんだよ?

ここで耐えてビックマネー掴んでこんな底辺とはサヨナラしにきたんですよ?

ましてや40歳にもなってギャンブルでお金ない人間と一緒にされたくなし。

10万、20万くらい勝ったところでなんだっての?

私は君たちと生きてきた環境が違うの!わかる?元々多くのお金を稼いでいてもっと何百、何千万というお金をどんどん手に入れる予定なの!

 

まったくそんな私をパチスロに誘うだなんて恥を知りなさいよ、、、、、全く、、、、、パチスロなんて、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

知ってた。

 

〜後編へ続く〜

 

後編はこちら →[工場マン物語]第2話: 人は簡単に変われない[後編]

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