〜前回のあらすじ〜
「人生を変えてやる」とかいいながらパチスロに誘われ速攻で行く決意をした男がそこにいた。
前回の話はこちら→[工場マン物語]第2話: 人は簡単に変われない[前編]
人というのは愚かな生き物だ、、
いや、、愚かなのは人ではない、、、俺だ、、、
工場でお金貯めて、それを元手にビジネスをしてお金を稼いで、、、
「やり直そう」そうなことを思って出稼ぎに来たのにこうもあっさりギャンブルへと足を運ぶ、、、
自分の借金を作った原因であり、勝てないと分かっているいるはずなのに、、、
それでも途中でWも誘いこの身は着実に目的地に向かう、、、
よっぽどパチスロが好きなのか、向かう途中でのSのパチスロ話は止まらない。
よくもまぁこんなにパチスロの話ばっかり出てくるものだ、
それだけ調べる時間があれば別の有意義な時間が過ごせるだろうに、、
全くこれだからパチンカスのおっさんは、、、
だいたいそんなパチスロ情報なんて、、、、
とっくに調べ尽くしてるわ!
見くびらないでもらいたいものだ。
こっちは金なくてずっとコンビニの情報誌やネットで情報だけ見てずっと我慢してたのだ。
貴様の10倍以上調べ尽くしとるわ!そう言いたくて仕方なかった。
会話をしながら歩いていたら、とうとう目的地の店へ着いた。
正直言って田舎のパチ屋に全然期待していなかったが、最近できたらしく綺麗な店だった。
久々の聖戦に激しく高揚する心。
それにしても「お金のない状態、前払い、ギャンブル」なフラグが立ちまくってるじゃないか、、、
これではオチを言っているようなものだ、こんな状態でギャンブルをするとどうなるか大体の人には想像つくだろう。
結果はもちろん、、、
10万勝ち。
、、、勝つんかい!!
そう誰かのツッコミが聞こえてくる気がする、、、
この日は忘れもしない、まさかこんなに勝てるとは思ってもいなかった。
10万なんて高額久しぶりに手に入れ気分は完全に億万長者だった。
「なんだよ、つまんねぇ、、、。」そんな声が聞こえてきそうだ。
しかし忘れてはいないか?
俺は超ド底辺を貫いているのでこれからの行動に抜かりはなかった。
ギャンブルで勝ったら何をする?
もちろん飲みと女だ。
億万長者気分の俺はSとWを連れて飲屋街に足を運ぶ。
とは言っても田舎の街なんてたかが知れてる。
そう散財することもないはずだ。
10万円を手にした俺は無双状態だ。
心の中は完全に大海賊時代だった!
アルコールを頼みまくり、延長しまくり。
なんせ俺には10万円あるのだから!
その日は潤った財布に歓喜し押さえていた欲求を存分に発散した。
翌日、酒で重たくなった体を起こし現実を知る。
なんと財布の中には前借りした分すらほとんど残っていないかった。
ほとんど使い果たした。さすが底辺、見事なファインプレー。
億万長者気分からの転落はわずか1日で成し遂げられた。
「2度とこんなことはするものか!」そう何度思ったことか。
なけなしのお金でなんとか凌ぎ、翌週、、、前払いの日が再び訪れた
当然のようにいる俺とS。
そしてパチスロの誘いに当然のように応える自分がそこにいた。
先週の事などなかったかのように。
一気にお金を手にする方法などギャンブル以外で思いつきもしなかった。
ただ目先の金に囚われて自分を抑制する手段など俺は持ち合わせてもいなかった。
決意とかそんなのでは人は簡単に変われない、、、
俺はきっと永遠に欲望に囚われる。
そう、きっとこれは呪いなんだ。
〜続く〜